ネコ社長とヒト社員

天使になったネコ社長と見習い・毛玉&黒玉の日々の暮らしと、ヒト社員の趣味のお話。

SISTERS

観てきました!

『SISTERS』@パルコ劇場

長塚圭史 作・演出
松たか子 田中哲司 鈴木 杏 吉田鋼太郎 中村まこと 梅沢昌代


日常の裂け目から、とうとうと水が溢れ出す。
溢れ出した水の流れに乗り、彼岸から赤い花が運ばれる。
次々、次々…。
揺らぐ、不安になる。

夏―この時期に長塚圭史作品なんて、観るもんじゃないね…。
精神的にも肉体的にも、まいってしまうもの。

どんより…ずっしり…重過ぎる…。
なんとも云えない、厭〜な気分になる。
不快指数100%の梅雨空に負けないくらい、
どよ〜んと重苦しく憂鬱になる。
『真昼のビッチ』然り、『ラスト・ショウ』然り。
この『SISTERS』も然り。

鬱々とした「田舎のホテル」にやってきた夫婦(松・田中)。
ここでは経営者(中村)の妻が、自らの命を絶つという、
事件が起きたばかりだ。
事件をきっかけに精神を病んだ従業員(梅沢)。
10年前から客室で暮らす父娘(吉田・鈴木)。
危ういバランスの上でなんとか“上手く”やってきた彼らの日常が、
招き入れた客により徐々に崩壊していく。


松たか子)の不安定な言動は、
冒頭から観客の不安を掻き立てる。

何かしでかしそうな気配、満載!!
激昂したかと思うと、急に童女のようになったり。
松さんは、ちょっとエキセントリックな女を演じると上手い。

ゆっくり静かに壊れていく。
美鳥鈴木杏)・礼二吉田鋼太郎)の関係をも巻き込んで。
奔放で悪魔的、それでいて常に不安を抱えている美鳥(鈴木)に、
亡き妹・ナツキの面影を見て、
きっと憎んでいたに違いない

馨の心の傷は、父による性的虐待によるものではない。
父の恋人になることでも、愛情を得られなかった。

「自分は“選ばれなかった子供”なのだ。」

その事実こそが、彼女を狂わせる。

ラスト、水に浸かりながら彼女は叫ぶ。

「ナツキ…あなたは、また勝ち取ったのね!!」

彼女は永遠に、親の愛情を得ることはできない。

親子という最小にして最大のコミュニティは、
離脱することもできず選ぶこともできず、
実にやっかいなものである。

そんな女房に振り回される信助田中哲司)が、
今回いちばんの貧乏くじだ。
いたって普通で、とても良い人なのになぁ?!
とばっちり喰らって不幸になってしまった
というかなんというか…。

気の毒!!

阿佐スパだけでなく長塚圭史の作品を観るには、
いつも以上に集中力が必要だ。
観終わるとグッタリするもんなぁ…。

それにしても彼の作品はハズレがない
どんよりして不快になって重苦しい気分を味わうのに、

こんなに惹かれるのは何故なんだろう??

テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

芝居道楽 | コメント:3 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

圭史さん、最近全然ブログの更新がなくて
相当忙しいかどっかに落っこちてるのかなぁ〜
なんて思ってたので
なるほど…
落っこちてる系なんですかねぇ〜

最近は気分のよくなる作品しか観ないので、ご縁がないわ〜…
2008-07-15 Tue 21:20 | URL | yuppe [ 編集]
いや、アムロじゃなくって。(念のため)
どうしようかなーと思っていたのですが、
友人から「是非行け!」との指令が出たので
今更チケットGETにバタバタしまして、
来週行ってきます、パルコ劇場。
楽しみ半分、怖さ半分。
いっそ当日、激しい雷雨にでもなって、
だーだーと雨に降られて劇場を後に出来れば
爽快なのかも、と、想像しています。どきどき。
2008-07-15 Tue 22:46 | URL | 菊花 [ 編集]
父さんにも殴られたことないのに!
―というよりも、「もっと殴って!」的なお話。

yuppeさん、ありがとうございます!
観劇後はハッピーな気分でお茶でもして帰りたいわン♪―そんなかたには、全く向きません(^^;)
長塚氏はこの作品を最後に、
1年間(だったかな?)英国(だったかな?)留学されるそうですよ〜。(超うろ覚え情報…。)
ブログ更新がないのは、
荷造りに忙しいからでしょう(/0‐)/□(え??)

菊花委員長、ありがとうございます!
お友達の判断は、正しいです!!
観ておいて損はありませんぞd(‐_‐)
確かに、マチネ観劇で劇場を出たら雲ひとつない晴天…ってのは、
なおさら気持ちが沈むかも?
レヴュウ、楽しみにしております♪
2008-07-16 Wed 12:29 | URL | tacataca [ 編集]

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