狂人なおもて往生をとぐ

2月は重たかった;;;

『狂人なおもて往生をとぐ~昔、僕達は愛した~@東京芸術劇場シアターウエスト

清水邦夫 作  熊林弘高 演出  木内宏昌 ドラマターグ
福士誠治 緒川たまき 門脇 麦 葉山奨之 鷲尾真知子 中嶋しゅう


あれだってね?

『サイケデリック・ペイン』何を血迷ったか待望の再演ですって?
物販コォナァで売ってましたよ~、初演DVDを~。
福士誠治氏ご出演だったもんねぇ。
キャストは総入れ替えになっちゃいましたが、
返す返すもなんで再演すおめでとうございます!

閑話休題。

愛しているから、我が子は道連れ。

たかが「父親」だからといって、権力を振りかざしやがって。
権威や肩書が大事なんだろ。

追い詰められた「一家の長」は、「家族」を道連れに破滅へと突き進む。

これ、「家」の話?

別の何かが二重写しになっているような気がして、
またしても背筋が冷たくなる。


作品の端々に飛び交う台詞や空気が、
60年代に書かれたものとは思えない。
いまこの時にリンクして、
現実に引き戻されて眩暈がする。


右向け右に背き大勢と異なる意を述べただけで、
途端に指弾される。

絶望とエゴイズム。

ずいぶんと身勝手ではないかね?

いっそ狂ってしまった方が、楽なんじゃない?

ぬくぬくと妄想の毛布に包まっていた出(福士)は、
意外と幸福だったのかも知れない。
外の世界―現実も真実も、どっちも重いよ。

みんな狂ったふりをして、“家族ごっこ”ゲームに興じているのが、
いちばん幸せなんだろう。

「シアワセナカゾク」の中に入り込んだ異邦人、

弟(葉山)の婚約者・めぐみを演じた門脇麦嬢が良い!

清々しいくらいイライラする!!
おる!こういう女おるッ!
空気読まないってか読めないつーか、
読む気なんてさらさらないのな。
「人の気持ちを忖度する」などという感覚なんざ持ち合わせていない女を、
実に良い塩梅に演じている

福士氏は良い声をしてらっしゃる。
台詞ひとことひとことが滑舌も良く、
すんなりと耳に入ってくる。

達者な役者が揃っているおかげで、
重苦しい作品ながらも、集中して観ることができた。

清水邦夫作品は蜷川幸雄氏が演出することが多いけど、
私個人的には、蜷川演出より軽妙で観易かったと思う。

緒川たまき嬢妖しく美しいむっちり感が、
一服の清涼剤のやうでした。

テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

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